水


クジラ日記

2001 6/17 和歌山県・那智勝浦町
船長:米川 亮治

 マゴンドウの群れ

 前日に引き続き、3連チャンで乗船してしまいました。しかし現地に泊まったため、じつは普段よりも身体は楽だったのです♪ 今日はゆっくり寝れたし、頑張ってクジラを探そうと意気込むのでした。今回は船が2隻出たので、クジラを探すのも少しは心強いです。

 出航前に船長さんが、捕鯨船がミンククジラを見つけたという情報が入ってきたと教えてくれました。和歌山の海って、結構いろんな種類のクジラに会える可能性があるんです。いつかは念願のシロナガスクジラも・・・なんて夢も描いてしまいます。(^^ゞ 

 出航してすぐに、船長さんの友達の漁師さんからマゴンドウ(コビレゴンドウ)発見の情報が入ってきました。東に進路をとり、そのポイントを目指します。空は薄い雲に覆われていましたが、海は良い凪でした。1時間ほどで、そのポイントに到着です。そこには突きんぼの船が待っていました。しばらく待っていると、遠くの方に丸みを帯びた背ビレが見え隠れするのが見えました。間違いなくマゴンドウの群れです。


イルカちゃんとの混群

 マゴンドウたちはゆっくりと泳ぎながら、移動していました。ゴンドウクジラの仲間でも1番大きいのがマゴンドウです。体調も大人の雄だと6メートル程にもなり、近くで見るとかなりの迫力があります。小さな子どもから大きな大人までが集まった家族のような群れを作ることが多いようです。この日も十数頭の群れを作っていました。

 しばらくこのマゴンドウたちをウォッチングしていましたが、仲間の船からさらに東の方に、もっと大きな群れがいるという知らせが入ってきたので、今度はそちらに向かいます。その場所に到着すると、先ほどのマゴンドウとは異なり、もう少し尖った小さな背びれがたくさん見えました。近づくと、くちばしも見えます。ハンドウイルカたちの群れでした。

 あたりを見回すとあちらこちらで背ビレが見えます。マゴンドウもハンドウイルカもたくさんいました。どうやらこの海域一帯に、かなりの数のクジラ・イルカたちが散らばっているようでした。そうこうしているうちに、捕鯨船が全速力でやってきました!もちろん彼らの狙いはマゴンドウです。たいてい群れの中で1番大きな雄に狙いを定めます。

 ちょうどタイミングよく捕鯨船の近くにマゴンドウの群れが浮上しました。捕鯨船はスピードを上げ、クジラたちに近づいていきました。ひときわ大きなクジラが腰を大きく曲げて潜ろうとしたとき、細長い水飛沫がパーンという大きな音とともに目に飛び込んできました。クジラに向けて大砲が発射されたのです!結局クジラには命中しなかったようですが、すごい瞬間を目撃しました。あまり捕鯨の邪魔をしてもいけないので、その場から離れ、イルカをウォッチングすることにしました。


巨大マンボウとの遭遇!

 イルカたちは、普段は背中しか身体をあらわしませんが、潜る直前はすこし飛び上がるような感じで、大きく身体をあらわすことがあります。イルカたちが飛び出すと、船の上には歓声が上がります。やはり身体の一部だけしか見えないのと、全体が見えるのとでは全然印象は違います。

 しばらくすると今度はイルカたちの周りに、突きんぼ船がたくさん集まってきました。船が集まってくると、イルカたちも、なかなかゆっくりとは泳いでくれなくなります。残念ですが、イルカたちに別れを告げ、少しずつ港の方に向かうことにしました。しばらく船を走らせると、前のほうにいた人が何か背ビレらしきものを見つけた模様です。

 左右にくねらせるように背ビレを振りながら泳いでいます。背ビレだけ見ていると、とっても不思議な動き方をしています。なんと!巨大なマンボウでした!船が近づいても潜らずに海面近くを泳いでいました。上からは、背中の白い斑点もしっかり見え、マンボウの形もよ〜くわかりました。しかしそれにしても大きいです。船が近づくと身をひるがえして、意外と素早く泳ぎ去るのにも驚きました。その後、ハナゴンドウの群れにも会うことができ、この日は1日でたくさんのクジラたちに会うことができたのでした。(^-^)

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