水


クジラ日記

2001 6/23 和歌山県・那智勝浦町
船長:米川 亮治

 消えたマッコウ

 前日の天気予報で、朝のうちは雨が残るようでしたので、出航時刻を少し遅らせ、8時に出航しました。出航してしばらく走ると、ハナゴンドウの群れが見つかりました。漁師さんからもたくさんハナちゃん発見の情報が入ってきます。少し離れた場所で、また別のハナゴンドウの群れも観察しました。

 ふと見回すと、あたりには鳥山がたくさんできていました。漁師さんたちのケンケン船もたくさん走っています。船長さんも船を巧みに操り、カツオのトローリングを始めました。ちょうど横に並んで走っていたケンケン船の後ろで、カツオがきらきらと青く光りながら引き上げられていく様子がよく見えました。しばらくすると僕らの船でもカツオが釣れだしました。そんな時、突然もう一隻のウォッチング船から、「マッコウ出たよー」という知らせが飛び込んできました!

 船を全速力で走らせ、そのポイントに向かいましたが、残念ながら僕たちの船が到着したときには、マッコウクジラハナちゃんブリーチはすでに潜った後でした。しばらくあたりを見回しましたが、他のマッコウが上がってくる気配はありません。どうやら単独の雄マッコウだったようです。そのあたり一帯に散らばっていたハナゴンドウをウォッチングしつつ、約1時間後にマッコウが再び浮上してくるのを待ちました。

 このあたりのハナゴンドウたちは元気で、あちこちで水飛沫が見え隠れします。どうやらブリーチングしているようでした。一度は船のすぐ前でハナちゃんが連続でブリーチングする姿も見れました。その後、全部で4隻のウォッチング船で、先ほどのマッコウを探しましたが、1時間半以上経っても姿を見せず、結局見失ってしまいました。マッコウを見れたのは、最初に発見した1隻のみ。う〜ん、とっても残念でした・・・。



2001 6/24 和歌山県・那智勝浦町
船長:東 信義

バタバタ、マンタ

 日曜日は天気もかなり回復して、出航してしばらくすると晴れ間が広がってきました。長い間雨が降り続いたせいで、熊野川から濁った泥水が流れ込み、陸の近くの海はかなり濁っていました。しかし少し沖に出ると、突然海が青く澄んだ色に変わります。振り返ると海の色の違いが境界線ではっきりとわかりました。

 そのままトビウオたちが飛ぶのを観察しながら、沖に向かって約1時間ほど進んだとき、突然太地の漁師さんからマッコウ発見の情報が入ってきました!なんと見つかった場所は出航した場所のすぐ近くで、ブリーチングしている姿が見つかったらしいのです!船は方向を180度変え、全速力でマッコウのポイントに向かいました。

 マッコウのポイントに到着すると、船長さんは水中マイクを下ろし、マッコウのクリック音を探りました。しかし、聞こえてくるのは波の音と、船のスクリュー音ばかり。その後2回ほど水中マイクを下ろしましたが、結局マッコウの音を確認することはできませんでした。そんな時、お客さんの一人が、アッ!と大きな声を上げました!その方向を見ると、なんとマンタがジャンプしながら、ヒレをバタバタさせていました!

 だんだんと風も強まり、あたりの海は白波で真っ白になっています。近辺のカツオ漁の漁船も、マンタがたくさんいるよーと教えてくれました。僕らの船も3匹のマンタが縦に連なって、追いかけっこをしている場面に出会いました。これから先日のような交尾行動に移るのではないかと思われました。

 その後、シュモクザメやオガワコマッコウ(僕は見れませんでした)、ウミガメなどを発見しましたが、結局マッコウクジラを発見することはできませんでした。昨日といい今日といい、1度潜ると必ず見失ってしまいます。きっと潜っている間に、かなり遠くまで移動してしまうのでしょう。なんとも悔しい限りです。(;_;)

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