水


クジラ日記

2002 7/28 和歌山県・那智勝浦町
船長: 浦山 昌嗣


 出航して30分くらいで、ハナゴンドウの漁をやっているポイントに到着。漁の邪魔をしないように、少し離れた位置からハナゴンドウをウォッチングしました。やはりあまり船には近づいてこず、さらに沖へマッコウクジラを探しに出ました。

 ところが台風の影響が残っていて、波が結構高く、ちょうど潮の流れと反対の方向から風が吹いていたので、黒潮に入ると白波だらけ。これでは、沖のほうまで船を進めるのは難しく、黒潮の潮目に沿って船を走らせることにしました。何度か水中にマイクを落とすも、聞こえるのは波の音ばかりです。

 そんなときウミガメが海面を泳いでいるのを発見しました。その後、コマッコウを一瞬だけ目撃しましたが、あっという間に姿を消してしまいました。今日はもうマッコウは無理かもしれないと思い始めた頃、突然、船長さんがマッコウおったでーと叫びました!はるか前方でマッコウのブローを見つけたようです。しかし見渡しても見えるのは波しぶきばかり。船長さんの目の良さには、本当に参ってしまいます。

 船が近づく前にクジラは尾びれを上げて潜ったようでした。(僕にはまったく確認できなかった。(^^ゞ)ここで水中マイクを落としてみると、今度ははっきりとクリック音が聞こえてきます。それも複数の音が重なっていました。つまり他にも何頭かクジラがいるということです!・・・というわけで、その後立て続けに船長さんがブローを発見!しかしどのクジラも、近づく前に潜ってしまうため、なかなか姿を見ることはできません。

 5頭目にして、ようやく近くでクジラを見るチャンスにめぐりあえました。じわじわ近づき、クジラを観察。尾びれがすーっと持ち上がったときは、船上から一斉に歓声が上がりました!その後、近くにまた別のクジラが浮上。なんともう1隻のウォッチング船にどんどん近づいていきます。その後、クジラは身をひるがえして、今度はこちらの船に向かってくるではありませんか!

 少し小さめのマッコウクジラでしたが、非常に好奇心旺盛で、何度も船に大接近を繰り返してくれました。本当に手をのばせば、船べりから触れそうなくらいまで寄ってきました。船の上は興奮の渦に包まれ、みんな大満足!僕自身、こんなことは年に一度あるかないかなので、非常に貴重な体験です。これだから、クジラウォッチングはやめられないですね〜。(^^ゞ

以下の写真は、全てこの日に撮影しました。

マッコウクジラ マッコウクジラ
青い海に漂うマッコウクジラ 深く潜る直前、腰をぐっと曲げます。
マッコウクジラ マッコウクジラ
次の瞬間、尾びれがザバーっと持ち上がります。 大接近!船にぶつかりそうでした。(^^ゞ



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