水


クジラ日記

2003 7/21 高知県・大方町
船長: 西地 美次 (午前)
     浜田 哲治 (午後)


 この日も朝から曇り空。どうもはっきりしない天気が続きます。今度は入野漁港から出航しました。出航するときに港の中を小さなエイが一生懸命泳いでいました。(^^ゞ この日は休日ということで、午前中はたくさんのお客さんが押し寄せ、かなりの数の船が出ていました。風は弱かったのですが、うねりが結構入ってきていて、船が勢いよく走っていると、時々すとーんと落ちるので結構恐かったです。片手で手すりにつかまっていた子供が、船が落ちるときに手を離してしまい、そのまま身体をデッキに打ち付けてしまうというハプニングも起こってしまいました。本当にすごい勢いで顔から落ちてしまい、前歯が折れてしまいました。本当にかわいそうでした・・・。みなさんも船が揺れているときには、しっかり両手で手すりにつかまるなどして、くれぐれも気をつけてくださいね。

 さて、沖にクジラが見つかったということで、そクジラの背中に生えた苔のポイントに到着しましたが、このクジラがなかなか姿を現さないクジラで、あまりウォッチング向きではありませんでした。さらに少し沖に別のクジラもいるということで、他の船は次々にそちらのポイントに向かって行きました。僕らの乗った船もみんなの後についていきましたが、全部で20隻近くもウォッチング船が集まっていて、たいへんな状況になっていました。クジラが浮上すると、我先にと一斉にクジラに向かってダッシュするので、正直ちょっと心苦しかったです。でもそんな中、一度だけクジラが口を開けながら海面から飛び出してきたので、めちゃめちゃびっくりしました。きっと魚を食べているときに勢い余って、飛び出しちゃったんでしょうね〜。

 午後は、入野からは予約の船が1隻だけで、僕は予約していませんでしたので、とび込みの船を手配してもらいました。しかし、待ってみても飛び込みのお客さんは、他には誰も来ません。結局、客は僕一人で、あとは研修に来ていた学生という、ほとんど貸し切りの状態で乗せていただきました。こんな状態でも1人分の料金でいいのかしら・・・?と思いつつ、快く船に乗せていただいた浜田船長には、感謝しています。m(__)m

 午後も午前中にクジラを見たポイントとほぼ同じ海域で、ペアでゆっくり泳いでいるクジラと、1頭で一生懸命餌を食べているクジラを発見しました。おそらく午前中に見たのと同じクジラでしょう。到着すると「BLUE MARINE」(灘漁港から出ているクルーザー型のウォッチング船)のすぐ横で、いきなりジャンプしながら現れました!思わず、すごーい!と歓声を上げてしまいました。「BLUE MARINE」に乗っていた人たち、きっと一生忘れないでしょう。クジラのピンク色のお腹が僕の目にもしっかり焼きついています。(^^ゞ

 ペアのクジラは見やすかったのですが、僕は餌を食べているクジラの方にかなり興味を惹かれました。船長さんも同じ気持ちらしく、そちらのクジラの方をずっと追いかけてくれました。ニタリクジラは長く潜るときに腰を折るのですが、一度なんか腰を折ったのを見て安心していたら、すぐに目の前でジャンプしながら飛び出してきました。あまりに突然の出来事に、何の心構えもしていなかったので、度肝を抜かれてしまいました。とてもカメラを構える余裕などなく、唖然として眺めていました。このクジラはさらにもう一度、急角度で飛び出してきたのですが、残念ながら写真を撮ることはできませんでした。

 ときどきカツオが1箇所に集まり水面を跳ねます。近くにいたカツオの一本釣りの船が猛ダッシュして、カツオを釣っていました。一本釣りの様子を近くで見たのは、今回が初めてです。船の前方で、シャワー状に放水して、1人が餌をまき、1人が竿を回しながら振り、チームプレーで釣るということを、初めて知りました。

 このクジラ結構長い間、狩りをしていました。たいていは海面すれすれで、横向きになって口を開けながら出てきましたが、それも一瞬の出来事で、目で追うのが精一杯でした。かなり広い範囲を行ったり来たりしながら、餌をとっているようでした。クジラが現れると、さきほどのカツオ船もクジラに向かってダッシュするので、じつはちょっと妬ましかったです。おそらくカツオがイワシを取り囲み、1箇所に固めたのを、クジラが横から丸呑みしてるんでしょうね。だからクジラのいる場所にカツオありなんだと思います。
並んで泳ぐ親子クジラ
 クジラを探していると、いつのまにか小さな子クジラとお母さんクジラの親子が現れました。子クジラは、あっちに行ったりこっちに来たり、本当にせわしなく泳ぎ回っています。お母さんは、そんな子クジラを見ながら、ゆったり泳いでいるといった感じです。時々、お母さんに寄り添うように並んで泳いでいる姿も見られ、その光景は本当に微笑ましかったです。全くといっていいくらい真っ直ぐに泳がないので、かなり右往左往させられてしまいました。

 クジラがいる場所で船を止めて船長さんと話していると、突然研修生たちが声をあげました。ふと目をやると、クジラが尻尾を上げて垂直に沈んでいくところでした。いったいどうやって尻尾を上げたのかわかりませんでしたが、こんなのは船長さんも前に1回だけしか見たことがないとおっしゃってました。最後に本当に貴重な場面にも出会えて、本当に素晴らしいウォッチングになりました。残念なのは、こんな貴重な場面に何度も出会いながら、一枚も写真に残せなかったことです。もうちょっと反射神経も磨かなければ、写真はモノにできなさそうです。まあでも今回は、自分の目でしっかり見れたんだから良しとするかな。(^^ゞ

以下の写真は、全てこの日に撮影しました。

入野漁港のホエールウォッチングセンター
ウォッチングの受付とお土産が売っています。
ウォッチングセンターの2Fには、
ミンククジラの全身骨格標本があります。



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