水


クジラ日記

2005 5/14〜15 和歌山県・那智勝浦町
船長: 東 信義


 またまた南紀に行ってきました。ここ1週間の間に大マッコウが2度も目撃されていると聞けば、やはり行かずにはおれません。風は少しありましたが、少しのチャンスも逃したくなかったので、2日続けて乗船しました。まず14日です。私は東船長の船に乗せてもらい、朝6時に出港しました。この日は午後便も入っていたのですが、午後から風が強まりそうだったため、米川船長の午後便は時間を早めて9時出港になったということでした。

 そして、この微妙な時間のずれが後々大きな結果の差を生むことになろうとは・・・。私の乗った船は約20マイルの沖まで走り、水中マイクの音を手がかりになんとかマッコウクジラの群れを発見することができました。約7頭のクジラを観察し、中には今年生まれたと思われる小さな子クジラもいました。きれいに尾っぽを上げて潜っていくマッコウクジラたちを見て、私は満足して帰ってきました。

 帰り道、米川船長の船と沖ですれ違いました。たぶん米川さんの船も私たちと同じポイントに行くんだろうなあと思っていたのですが・・・。港で他のお客さんとおしゃべりしていたら、突然米川さんから電話がかかってきました。どうやら意外と近くのポイントでマッコウクジラの群れが見つかったようです。その後聞いた内容に私はかなりショックを受けました。

 なんと!大マッコウが2頭並んで泳いでいると言うのです。こんな光景は初めて見た!と米川さんも興奮しています。片方は18m級の成熟した雄の個体、もう片方はそれよりも少し小さいようだと言っていましたが、それでも2頭の巨大なクジラが並んで泳いでいる様は、想像することが難しいくらいの大迫力だったことでしょう。というわけで、港にいた私たちはなす術もなく、指をくわえて米川さんたちが帰るのを待つばかりとなってしまいました。なんとも残念な気持ちでいっぱいでした。帰ってきたお客さんたちは、本当に嬉しそうでとても感動していました。私は本当に悔しかったですが、気持ちを切り替えて、明日の大逆転に期待することにしました。


 翌日、昨日よりも海は穏やかになっており、天気もいい感じです。今日こそは大マッコウを見つけてやる!と張りきって出港しました。まずは突きんぼの漁師さんからハナゴンドウの情報を教えていただきました。漁師さんたちはハナゴンドウを追うのを一時休んで、私たちにハナちゃんを見せてくれました。しかし、さっきまで追われていたハナちゃんたちは、そうそう船を近づけてはくれません。遠くから眺めるのがせいいっぱいでした。

 その後さらに沖へマッコウクジラを探しに出ますが、なかなかマッコウは見つかりません。東よりに針路を変え仲間のウォッチング船と探し続け、ついにマッコウクジラを見つけることができました。この時点で約3時間半が経過していました。数頭のマッコウクジラを観察しましたが、残念ながら大マッコウに出会うことはできませんでした。中には、身体中傷だらけのまだ子供の雄?クジラもいました。

 あきらめきれない私は午後も船に乗せてもらいました。午前とはうって変わった大荒れの海です。クジラの情報が無ければ、欠航になってもおかしくないくらいの状況の中で、全速力でマッコウの情報のあったポイントへ向かいます。途中、2度ほどマンボウの群れにも遭遇しました。こんな荒れた海でも水中マイクの効果は抜群です。ばっちりクジラの居場所を探り当ててくれました。

 朝と同じクジラもいましたが、朝よりも泳ぐスピードが早いように感じました。船を近づけると船と併走してクジラも泳いでくれたので、何度かかなり接近することができました。船とクジラとの距離はわずか3mです!2頭が並んでいる場面も近くで見ることができました。結局大マッコウには最後まで出会うことはできませんでしたが、それでも十分満足できるくらいの素晴らしいウォッチングができました。遅くまでクジラを見せてくれた東船長、本当にありがとうございました。m(__)m

この日の写真は、こちらからご覧ください。
2005 5/14
2005 5/15


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