水


クジラ日記

2007 5/26 和歌山県・那智勝浦町
船長: 浦山 昌嗣


 毎年恒例の南紀クジラウォッチングツアー!今年はなんと5月26日、27日の2日間、貸切船でウォッチングを行いました。この週末までの一週間、毎日天気図とにらめっこしながら、ドキドキはらはらしておりました。前日は大雨で、もしかしたら出港できないかも・・・とも思いましたが、当日よいお天気になってくれて本当に良かったです。

 じつはこの企画、今年で3年目なのですが、まだ1度もマッコウクジラに出会えておりません。でも今年は近年まれに見る当たり年。船さえ出港できれば、まず大丈夫だろうと思っていました。参加メンバーを勝浦まで車で迎えに行っていると、米川船長から携帯に電話が。「沖にマッコウいっぱいおるで、なるべく早く出港しておいで」と嬉しい連絡が入りました。この時点でマッコウは必ず見れると確信しました。

 しかしいざ出港してみると、予想以上に風が吹いており、海は白波だらけ。こんなので本当にクジラを探せるのかと冷や冷やしました。でも沖に出ると意外と風が収まっていて海も穏やかです。潮の流れと風向きの関係で、海はこんなに表情を変えるのかと改めて思い知らされました。先に出港していた2隻のウォッチング船と助っ人こーろぎちゃんのハイテク水中マイクのおかげでマッコウのいるポイントもすぐに探し当てられました。

 この日出会ったマッコウの群れは非常に大きな育児郡でした。大きな雌のクジラを中心に4頭が並んで泳いでいたり、何頭かが一緒にかたまって泳いでいる姿がよく見られました。1頭でも大きなマッコウクジラが、群れをなして泳いでいる姿はなかなかに迫力があります。しかもそんなマッコウの群れに幾度となく大接近を繰り返すことができたのですから、感動もひとしおです。この日初めてマッコウに出会ったみなさん、こんな場面にはそうそう簡単に出会えるものではありません。みなさんの強運に心から感謝です!

 この日も午後から風が強まってきて、途中でマッコウを見失ってしまいましたが、水中マイクの音を頼りに再びマッコウの群れに遭遇することができました。しかし海況はますます不安定になり、これ以上ウォッチングを続けるのも大変だということで少し早めに切り上げることにしました。というわけで今年も夕陽とマッコウの目標は達成できませんでしたが、またいつかチャンスが来れば挑戦してみたいと思います。参加してくださったみなさん、南紀マリンや宿の方々、今年もたいへんお世話になりました。来年もぜひまた参加お待ちしています。


以下の写真は、全てこの日に撮影しました。

このマッコウの尾びれを見てほしかったのです。
とりあえず第一の目的が達成できて一安心しました。
2頭が並んで泳いでいます。よく見ると奥のクジラの
口元には何やら白い物体がゆらめいています。
もしかして餌のイカを咥えてたのでは!?
中には船に向かって近づいてくるマッコウもいます。
子供のクジラがお母さんの後を一生懸命ついてきます。
並んで泳ぐ3頭のマッコウクジラ。この日はこんな場面に
何度も遭遇しました。なかなかに迫力があります!
2頭同時のブロー。午後になって風が強まってきました。
水中マイクからのクリック音も聞こえなくなってしまいましたが、
しぶとく粘ってなんとか再度マッコウを発見できました。
この日最後に見たマッコウの群れです。
やはり海況がかなり不安定なため、夕方まで粘って
夕陽とマッコウを見るのは断念しました。



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