水


クジラ日記

2008 4/5 和歌山県・那智勝浦町
船長: 米川 亮治


 いよいよ今年も南紀のクジラウォッチングが始まりました。情報ではマッコウは3月くらいから継続的に見つかっているようです。前日には大マッコウも見つかったと聞き、弥が上にも期待は高まります。海況もよく絶好の凪で、漁船もたくさん出ていましたが、肝心のクジラの情報が全く入ってきません。自分たちも一生懸命探しますが、やはり仲間の船からの情報が頼りです。出港から3時間以上経過した頃、ついにクジラの情報が入ってきました!

 何クジラかわからないけど、潮を吹いて東のほうにいきよったで〜と漁師さん。少し距離はありましたが、他に何の情報もなかったので教えてもらった場所に向けて船を走らせます。やっとの思いでそのポイントに到着しましたが時間はすでに10時半。マッコウなら水中の音を頼りになんとか探し出せるかもとマイクを沈めましたが、残念ながらクリック音は聞こえてきません。

 結構早い速度で泳いでいたらしいので、もしかしたら北の餌場へ向かうザトウクジラだったのかもしれません。時間もありませんでしたので、残念ながらここであきらめ帰路につくことになりました。初日から坊主か〜と帰りの船上で転寝をしていると漁師さんの無線の声が耳に飛び込んできました。宇久井の南にクジラかイルカがたくさんおるで〜。時間は既に11時を回っており、今頃見つかっても遅いよ〜を思いましたが、この日の船長さんは気合が入っていました。

 それからさらに南に針路を取り、ぐんぐん速度を上げて進んでいきます!情報をくれた漁船もイルカの群れを見失わないようにそばに付けてくれているようでした。そして遠くに波ではないたくさんの尖った背ビレが見えてきました。ついにイルカに会えたのです!近づくと毎年この時期によく見られるカズハゴンドウだとすぐにわかりました。かなり密集しており、海面近くでのんびりと休憩しているような感じです。

 船を近づけると少し動き始めましたが、なんと船の舳先に集まってきました!カズハゴウンドウがバウライディングするのは珍しく、こんなにゆったりと船の側で泳いでいるのを見たのは初めてかもしれません。舳先から全身がはっきりと見えました。欲を言えば、もう少し海面が静かだったら水中の姿もきれいに見れたのですが、今回はこんな素敵な場面に出逢えただけでもありがたいですものね。たっぷりとカズハたちと遊び、港に着いたときは12時を大きく過ぎていました。大サービスしてくれた船長さんに感謝!


以下の写真は、全てこの日に撮影しました。
その他の写真はこちら


4月上旬の朝日は宇久井半島の山の上から昇ります。 1年ぶりの恵亮丸。春休みで親子連れの
お客さんが2組乗船されていました。
ついに出会えたカズハゴンドウの群れ。
ここにたどり着くまでの道のりの長かったこと!
元気な1頭がブリーチング!
水面下の姿もばっちりと見れました。(^^)v
船の舳先を泳ぐカズハたちの姿に
大人も子供もみんな釘付けになっていました。



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