水


クジラ日記

2008 4/29 和歌山県・那智勝浦町
船長: 米川 亮治


 天気予報によると、この日は風なし波なしの最高のコンディション。帝京科学大学の学生さんが今年も高性能の水中マイクを持って調査に来ていましたが、ここ数日ウォッチングでマッコウは見つかっていないという話でした。カツオ漁船からの情報では、30マイル沖にはマッコウがいるそうですが、半日のウォッチングではそこまで行くことができません。私も今日はマッコウはまず見つからないだろうと思っていました。しかし幸運にも見つけることができたのです!

 沖にハナゴンドウの情報があったので船を走らせていると、偶然マッコウが尻尾を上げて潜ったのが見えたらしいです。このときはまだ水中マイクを流してなかったので、そのまま通り過ぎていたら見つけられなかったかもしれません。ここで水中マイクを投入すると近くに何頭かマッコウがいることがわかりました。しかも嬉しいことに雄のマッコウのクリック音も聞こえてきました。私も初めて聞かせてもらったのですが、雌たちのカッチカッチ…というテンポの速いクリック音に対し、雄の出す音は金属を叩いたようなカン!という甲高い音で、音を発する間隔も雌とは全然違って、すごく長い間がありました。

 しばらく待っているとクリック音が止みました。音が止むとマッコウたちが浮上してくる合図です。浮上するタイミングは個体により異なりますが、5、6頭のマッコウがこの周囲にいるようでした。待ちに待った雄の大マッコウが小さな子クジラと一緒に泳いでいる姿にも出会えました!雄は2度尻尾を上げずに15分くらい姿をくらませ、3度目に海面に姿を現したときにやっとフルークアップしました。

 マッコウを見た後、港に向けて走っている途中、スジイルカの大きな群れにも遭遇することができました。船の舳先についたり、ものすごく高いジャンプを披露してくれたり、小さな赤ちゃんイルカが親と一緒にジャンプする姿も見られ、大いに楽しめました。さらにハナゴンドウにも出会え、本当にラッキーな一日になりました。(^^)


以下の写真は、全てこの日に撮影しました。
その他の写真はこちら


今年も帝京科学大学の学生さんが調査にやってきました。
出港前にクジラについて丁寧に解説してくれます。
この大きなブローを見てください!
今年も雄の大マッコウに出会えて大興奮です!
大マッコウの手前には、雌のマッコウもいます。
この大きさの違いはいったい何!?
とにかく頭部がめちゃめちゃでかいです。
こいつに出会うと雌では物足らなくなってしまいます。(^^ゞ
大接近したところでフルークアップ。
※ちなみに大マッコウではありません。
高いところから見るマッコウもなかなかいいです。
ちょうどブローにきれいに虹がかかりました。

帰り際にはスジイルカの大群にも出会えました。
赤ちゃんイルカも一緒にジャンプして、とても可愛かったです。
何度もきれいにジャンプするイルカを見られて、
その度に、つい一人で叫んでいました。(笑)



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