水


クジラ日記

2008 5/5 和歌山県・那智勝浦町
船長: 米川 亮治


 前日の天気予報では、徐々に天候が崩れていく模様。なんとか天気が持ってくれないかとドキドキしてましたが、すでに行きの道中から雨が降り始めてしまいました。(泣) それでも港に到着したら雨は止んでくれたので、なんとか出港することができました。大きな波のうねりはありましたが、風が吹いていなかったので雨さえ降らなければ、まずまずのコンディションです。ただ雲に覆われているため、いつもの青い海が見れないのは残念でありました。

 出港後しばらくするとイルカがたくさんいるとの情報が無線から聞こえてきました。船も速度を上げそのポイントに到着すると前回と同じスジイルカの群れが私たちを出迎えてくれました。船のすぐそばにも近寄ってきてくれたりして、大いに楽しませてくれました。イルカを堪能した後、突きん棒船もやってきたので、私たちはさらに沖へクジラを探しに出ました。

 水中マイクを投入しマッコウクジラを探しますが、残念ながらクリック音は聞こえてきません。そうこうしているうち陸のほうにクロ(バンドウイルカ)とマゴウンドウ(コビレゴンドウ)の群れがいるという情報が入ってきました。船は速度を上げそのポイントに向かいます。前方に船が集まっている海域が見え、突きん棒船の他に一際大きな青い船も目に飛び込んできました。太地の捕鯨船です。巨大な大砲を装備しており、突きん棒では狙えない大型のクジラも捕獲することができます。

 この辺りの海はとても穏やかで鏡のように凪いでいました。遠くにコビレゴンドウの特徴のある背ビレが見えたので、接近しようとしましたが、警戒しているためかなかなか側に近寄らせてはくれません。遠巻きにですが、何度かクジラたちを眺めて帰港することになりました。帰り道には、突きん棒船とその真下に銛が突き刺さったイルカがいるのを見ました。陸が近づいてくると急に雨が降ってきましたが、ウォッチング中は、なんとか雨に降られずにすんだので、涼しくて快適に過ごせてよかったです。(^^)


以下の写真は、全てこの日に撮影しました。

出港前から雨がぱらつき始めましたが、
風がなかったので海は比較的穏やかでした。
出港後間もなくイルカの情報が入ってきました。
今回もスジイルカの大群に出会えて一安心です。(^^ゞ
残念ながらマッコウは見つかりませんでしたが、
マゴンドウ付きのバンドウイルカの群れがいるとの情報が。
そのクジラたちを狙う太地の捕鯨船や突きん棒船も
周辺の海にたくさん集まっていました。
太地の鯨の博物館で飼育されている「はるか」ちゃん。
腹びれのある大変貴重なイルカとして
研究者たちの注目を集めています。



トップへ クジラの海へ トップへ クジラ日記トップ

水
inserted by FC2 system