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クジラ日記

1999 4/29 和歌山県・那智勝浦町


 今年最初のホエールウォッチング

今年最初のホエールウォッチングは、那智勝浦で行いました。ちょうどこの日は勝浦のホエールウォッチング開始日とも重なりました。これから約2ヶ月間、7月のはじめ頃までは、この海でマッコウクジラのウォッチングが楽しめます。これからの週末は勝浦通いの日々が続きそうです。

 この日は午前中だけ船に乗る予定だったのですが、あいにく波が高く船が引き返してしまいました。漁に出ている漁師さんからの情報で沖にマッコウクジラがいるとわかっていただけに残念でした。でも、このままでは引き下がれません。午後には、波も少しは収まるだろうということで、飛び込みで午後の船に乗せてもらうことにしました。

 船は全部で3隻ですが、まわりには漁師さんの船もたくさん出ているので、クジラを発見するにはかなり心強いです。風は陸から吹いていたので、なんとか船を出すことが出来ました。しかし、沖まで出ると白波が立っていて、船が思うようにスピードを出すことが出来ません。結局マッコウクジラのいるポイントまではたどり着けそうにないということで、他のクジラを探すことになりました。


ハナちゃん元気だった?

 1時間くらい経ったとき、ハナゴンドウの群れが見つかりました。このあたりの海では、比較的よく見られるイルカです。珍しくはないのですが、久しぶりに会えたのでなんだか少し嬉しかったです。数頭の群れがゆっくりと泳いでいる姿を観察しました。何度か潜水と浮上を繰り返すのを見た後、別のクジラを探すために、船はさらカズハゴンドウ1に沖に向かいました。

 何も見つからないまま、しばらく船を走らせていると、不意に仲間の船から無線が入りました。どうやらハナちゃん(ハナゴンドウ)が見つかったようです。それもかなりの数がいるということで、そちらに向かうことになりました。少し期待に胸をふくらませて、そのポイントへたどり着くと、確かにクジラがたくさんいます。それも1箇所だけでなく、あたりの海にかなりの群れが散らばっていました。


カズハゴンドウとランデブー

 恐るおそる船を近づけると、逃げるそぶりも全く見せずに、向こうから船に近づいてくるではありませんか。近づいてみると、ハナゴンドウの特徴的なあの白い傷はなく、もう少し小柄な黒い身体をしていました。船長さんの話では、このクジラはカズハゴンドウということでした。カズハゴンドウに会えたのは、これが初めてです。珍しい彼らに出会えて大喜びしました。
カズハゴンドウ2
 次々と船に近づいてくる彼らは、ちらちらとこちらをのぞきに来ては、しばらくするとまた帰っていきます。ジャンプをすることはあまりありませんでしたが、こちらの様子が気になるらしく、スパイホップをするやつもいます。(スパイホップとは、海面上に顔だけを出して、周りの様子を観察する行動です。)その様子がとてもかわいらしかったです。

 カズハゴンドウたちは、全部で200〜300頭くらいはいたと思います。それほどすごい群れでした。船長さんもこれだけの数の群れを見たのは初めてだということで、みんなで大いに盛り上がりました。海がだんだん荒れてきたので、ちょっと早めの帰港になりましたが、間近で珍しいカズハゴンドウに逢えたので、大満足の今年最初のホエールウォッチングになりました。

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