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クジラ日記

1999 5/1〜3 高知県・大方町


久々の上川口港

 今年もまたゴールデンウイークは、高知県の大方町に行ってきました。高知のクジラウォッチングも、このGWあたりからが、いよいよ本番という感じです。高知では、今まで何度もいい思いをしてきただけに、今回も期待が高まります。大阪から夜行バスに乗り、高知駅で電車に乗り継いで、ついに大方町上川口港にたどり着きました。

 この日5/1は、ちょうどホエールウォッチングのイベントを行っていて、普段の8時&13時の定時出港ではなく、お客さんが集まり次第、その都度出港という状況でした。港に着くと大方町遊漁船主会の方たちが、あたたかく迎えてくれました。その日は朝からクジラが見えているということで、さっそく船に乗せてもらいます。

 ぽかぽか陽気に心地よい風、1年ぶりの高知はとても気分がいい出港になりました。船はあらかじめ連絡のあったポイントへ、ぐんぐん進みます。30分ほどで前に船のかたまりが見えてきました。クジラがいるポイントへたどり着いたのです。それにしてもここはやはり船の数が多いです。


えさを追いかけるイルカたち

マイルカの大群 前を見渡すと、まず白い水飛沫があちこちで上がっているのが見えてきました。遠くからでは、しぶきだけしか見えないのでわかりにくかったのですが、それはかなりの数のイルカの群れでした。ここでは、しばしばマイルカの大群が目撃されていますが、この日もさっそく見つかりました。数はおよそ200〜300頭くらいいたようです。海を埋め尽くすイルカとはまさにこのことだと思いました。

 イルカたちは、活発に方向を変えながら潜水を繰り返しています。状況から判断して、えさの魚を捕まえているようでした。海面をぴょんぴょん飛び跳ねるイルカもいれば、ぼーっと浮かんで休んでいるイルカもいます。なぜかマイルカの群れにまじって、カマイルカも1頭いました。

 船がイルカの群れに近づくと、今度は船の軸先に集まってきました。下を見るとイルカがすごいスピードで、船の前を泳いでいるのが分かります。細くとがったくちばしに、きれいな3色の身体がはっきりと見えました。そのうち船上に、イルカたちのピーピーという鳴き声まで聞こえてきました。


イルカにまじるニタリクジラ

 しばらくイルカの群れについて走っていると、今度はイルカの群れの中から、ニタリクジラが現れました。去年もニタリクジラがイルカといっしょに泳いでいるのを目撃したのですが、やはりこのときも活発にイルカの後を追いかけているようでした。おそらくクジラもイルカと同じえさを食べるため、いっしょにえさ探しをしているらしいということでした。
ニタリとマイルカ
 クジラの姿を追っていると、突然水飛沫を上げながら、クジラががばっと浮上してきました。少し遠かったのですが、えさを丸のみしているようでした。この群れをずーっと眺めていたのですが、ふと気がつくとニタリクジラはイルカの群れから離れていきました。船長さんの話では、お腹がいっぱいになったので、もうイルカといっしょにいる必要がなくなったんだろうということでした。

 今回の旅では、3日間乗船して3日ともニタリクジラに会うことが出来ました。そして最初の2日間はマイルカの大群にも会えました。すばらしいクジラとの出会いがあったのは、嬉しい限りなのですが、やっぱりここは船の数が多いために、すこし無理があるなとも感じました。1頭のクジラに20数隻の船がアタックをかけるのは見ていて、気持ちのいいものじゃないですものね。できることなら、なるべくお客さんの少ない時期に、行けたらいいなと思います。

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