エスニック

シーカヤッキング


 カヤックにのって、のんびり波の上を歩いていこう。水面を滑るように進んでゆく、この浮遊感覚とスピード感は、びっくりするくらい気持ちいいです。自分の力で遠くの浜にたどり着いたときの喜びも、また格別です。さあ、あなたもシーカヤックを始めてみませんか?

LOG BOOK
今までカヤックで漕いできた足跡を残していきたいと思います。


目次
[柴田氏のシーカヤッククリニック] [ロールにチャレンジ] [カヤックが来た日]
[シーカヤックを始めた理由] [初めてで、いきなり沈する] [南島町でのツアー]

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シーカヤックを始めた理由

シーカヤック1 僕がシーカヤックを始めようと思ったきっかけは、2つあります。ひとつは、シーカヤックという限りなく水面に近いアングルから海の風景を撮影してみたいと思ったこと、もうひとつは、いつかシーカヤックに乗ってクジラに遭遇したいと思ったことです。
 
 クジラは僕たち人間から見ると、とてつもなく巨大な生き物ですが、普通のホエールウォッチングでは、エンジン付きの大きな船に乗って会いに行くので、あまり対等ではありません。自分の力だけで漕げる、カヤックに乗ってクジラに会いに行ったら、クジラに対する印象もさらにまた違ってくると思うのです。
 
 シーカヤックに乗りながらの撮影は、予想以上に難しそうです。両手をパドルから放しても十分安定を保てるようにならないと、カメラごと水中に沈してしまうと思われます。これでは、もともこもないですね。

 まだまだ、初心者の域をさまよっている僕にとっては、どちらの夢も実現する日はかなり先になりそうですが、いつか叶えられる日がくるまで、シーカヤックを漕ぎ続けようと思います。





初めてで、いきなり沈する

 三重県にも本格的にシーカヤックのレッスンとツアーを行っているところがあります。アウトドア好きの暮野清次郎氏を誘って、僕らがレッスンを申し込んだのが、伊勢志摩カヌースクール(Paddlecoast)です。最初のレッスンは、三重県鳥羽市にある池の浦で行われました。

 最初に考えたのはやはり、ひっくり返ったらどうしようということでした。(ひっくり返ることを沈するといいます。)両足をすっぽりカヤックの中にしまい込んであるので、身動きが取れずに、おぼれてしまうんじゃないかと不安でした。きっとみなさんも、同じことを不安に思われると思います。

シーカヤックと暮野氏 そして・・・。

 その不安は見事に適中するのでした。こともあろうに仲間であるはずの暮野氏が、僕の乗っているカヤックに横から突っ込んでくるではありませんか。あわててバランスを崩した僕は、あっというまに水中で逆さまになってしまいました。これはかなり焦ります。

 でも大丈夫。事前の講習で教わったとおり、今自分はどうなっているんだろう?じゃあ何をしなければいけないんだろう?とふと思い直すことで、ピンチを脱出することができました。人間いざというときは、何でもできるものです。もちろん、ちゃんと事前にコーチしてもらったおかげです。

 復讐の炎に燃えた僕でしたが、その間もなく、振り返ると暮野氏は勝手にひっくり返っていました。みんなが乾いた服で快適な昼食をしているときに、僕と暮野氏は身体を震わせるのでした。





南島町でのツアー


 レッスンを二度ほど受け、少し自信もついた頃、初めての日帰りツアーに参加しました。場所は三重県南島町、きれいな海が魅力的です。例によって僕と暮野氏、それと伊勢と名古屋から来た人たちに、Paddlecoastの吉角さんを加えた5人でのツアーとなりました。

 南島町の海は入り組んでいて、小さな湾がたくさんあります。その中のひとつ古和浦に、カヤックを浮かべました。今回は昼食などの荷物をカヤックに積み込んであるので、今までより少し重いようです。いつものようにスーッとカヤックが滑り出します。パドルを漕いで身体を慣らした後、いよいよ出発しました。

 ところが、漕いでも漕いでも前に進む気がしません。みんなとの距離は、どんどん離れていくばかりです。焦った僕はむきになって漕ぎましたが、疲れるだけであまりスピードは変わりません。レッスンでは、波のない静かな海で練習していたので、すんなり漕げましたが、少し波があると、もう全然違うということに気づきました。

 みんなの後を必死についていきながら、もっと練習しなくちゃ駄目だなあと、しみじみ思うのでした。上手くなると、漕いでる姿が本当に楽そうに見えます。(試しに聞いてみたら、実際、楽に漕いでるそうです。)素人は変なところに力が入っちゃうから、無駄に疲れ南島ツアーてしまうということでした。

 なんとか、午前中を漕ぎきり、そのまま近くの浜に上陸しました。歩いて来たら、いくつも山を越えないと来れないようなところです。カヤックを使うことで、どんな小さな浜でも、簡単に上陸することができるのは、大きな魅力です。ビールを飲みながら、吉角さんが作ってくれた、きのこスパを食べて、休憩をするのでした。それにしても、ぽかぽか陽気な空の下で、その場で作った食事ができるなんて、とてもいい気持ちでした。

 午後になって、波も少しおさまり、僕の身体もなれてきたのか、ずいぶん楽に漕げるようになりました。まわりの景色を見る余裕も出てきました。浜には、なぜかサルが降りてきていたり、カヤックを漕いでると、突然目の前を、小魚(イワシ?)の大群が飛んでいったりと、驚くことがいっぱいでした。

 入り組んだ南島の海には、絵になる景色がたくさんあって、僕も早くカメラを使えるくらいの腕になりたいなあと思ってしまいました。行きに比べると、帰りはずいぶん楽で、終わったときはとてもいい気持ちでした。もっと漕ぎたかったなあと思えるくらいです。来年は、もっと頻繁に漕ぎに来て、腕を磨こうねと約束する僕と暮野氏でした。


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